ヨイトマケの歌


先日、顧問弁護士の末永汎本先生と食事をご一緒したときにこんな話を伺った。
先生は紅白歌合戦に出場する美輪明宏に手紙を送ったそうである。
どんな手紙かというとヨイトマケの歌は是非に黒髪で歌って欲しいとのお願いの手紙だったそうだ。
ご存じの通りトレードマークでもある派手な金髪を封印し、
丸山明宏だった当時の黒髪で歌った。
そして紅白で最も印象深い歌のベストワンに選ばれた。
しかも美輪明宏は直前になって髪を染めたらしい。
末永先生の手紙が直接の原因だったかどうかは証明するすべもないが、
僕は末永先生の手紙が要因のひとつであることは間違いないと確信している。
末永先生の母上のご出身は萩沖の見島である。
ここは水産業が盛んではあるが、
とくに良質の岩のりがとれることでも有名である。
しかし岩のり取りは命がけ。
荒い波の飛沫をかいくぐり素早くノリをむしる。
その光景を読んだ和歌がある。
「荒波の次なる大波はかりつつ声掛けあひて岩の海苔採る」
そうして得た貴重な現金収入は家計にまた子供達の教育費へといく。
美輪明宏も先生も大きな共通点がある。
それは母上に対する感謝の気持ちである。
いや感謝と共に思慕の情念かもしれない。
先生の母上は戦死したご主人にかわり、
一家の大黒柱として食堂を切り盛りされて先生を大学まで行かせられた。
先生の母上に対する思いは計り知れない。
同じ思いをもつ末永先生の手紙が美輪明宏を突き動かしたとしても何の不思議もない。
その日、先生がヨイトマケの歌を歌われた。
しゃがれ声で決してうまくはないが僕は泣いた。
歌の上手下手と言うよりも先生の想いがそこにあった。

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