日本救急医療学会・学術集会


去る11月30日に東京ドームホテルで行われた日本救急医療総会・学術集会において、
高名な医療業界の先生方に交じって、僕も医療の立場ではなく、介護の立場として持論を発表する機会に恵まれた。
当日は、「人生設計とは生きる計画と死ぬ計画である。超高齢化の今、高齢者におけるACPをいかに考えるべきか」というテーマで話をさせて頂いた。
人生において僕はALPとACPつまりいかに生きるかを考える作業といかに死んでいくかを考える作業を、常に行う必要があると思っている。
死ぬことを考えることは生きること考えることにつながる。
しかしながら今の教育現場には生きていくことの教育はふんだんに行われているが、死んでいくことについては教育がなされていない。
片手落ちで非常におかしなことだと思う。
特に高齢者においてはALPとACPを必ず考えていかなければならない。
人間は死からは逃れられない。
「正月は 冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」
これは頓智で有名な一休さんがしゃれこうべを持ち、正月に町中を歩いたという逸話によるものであるが、
毎年正月を迎え、生き方と死に方を考えることは人間にとって必要なことではないか。
近年、僕の施設では終末を迎えるにあたり、
IVH、人工呼吸器、胃瘻、点滴、心肺蘇生、救急車は必要ないという希望が増えている。
僕たち介護の世界ではこれを看取り計画というが、
まさにALPとACPとを繰り返し協議し策定される。
これらの策定については多職種連携、特に医療と介護との連携が必要になっていく。
高齢者に関しては日頃からALPとACPがしっかりと行われていれば、
いざという時に救急車を呼ぶこともない。
しかし近年、救急車の出動要請の60%を超えるものが高齢者であるという実態。
都会においては適切な救急車の活動ができず、救急医療がひっ迫している。
今こそ、介護と医療がしっかりと連携をし、
不用意な救急車の発動を防ぐべきだと思う。
最後にこのような素晴らしい機会をくださった独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院、ICU 真弓先生先生と横須賀市うわまち病院、救急救命センター 本多英喜先生に心からお礼を申し上げたい。

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