長崎県グループホームの火災に思う

長崎県のグループホーム「ベルハウス東山手」で火災が発生し、4名の入所者がお亡くなりになった。
火災の原因は現在調査中であるが、2階の男性入居者の部屋の加湿器近辺が一番ひどく燃えていることから、ここが火元ではないかと慎重に調べているとのこと。
ただ不思議に思うことがある。このグループホームは学生寮を改築し利用している。長細い建物で4階建てになっている。エレベーターもないし、火災が起きたときは非常に危険だ。それにもかかわらずスプリンクラーが設置されていない。
僕の法人にも1ユニットのグループホームが2カ所ある。どちらもスプリンクラーの設置義務はないが設置している。
なぜなら1ユニットのグループホームは夜勤者1名体制で、火災でも起きればとても逃げ切れない。ましてや今回のように4階の建物では尚更である。
いったい経営者は何を考えて経営をしていたのか疑いたくなる。僕たちが一番してはならないことは、お預かりした大切なお年寄りを傷つけてはならないということである。ましてや4人も死者を出してしまった。
もしもスプリンクラーがついていれば間違いなくここまでの大惨事にはならなかった。本当に残念である。
また常日頃、近隣の住民たちと連携を取り、いざというときの応援を計る必要もある。非難訓練も夜間を想定し行っていなければならない。真剣に行えば火災が発生した場合は今の建物の構造ではとてもお年寄りたちを守れないことはすぐに分かると思う。お金を大事にするのか命を大事にするのか選択の余地はない。
しかし今回のことは僕にとっても対岸の火事などと思ってはならない。転倒、誤嚥、誤薬、打撲など常に事故とは隣り合わせである。ご本人の尊厳を考えるのであれば拘束は出来ないし100%事故を防ぐことは至難の業ではあるが、挑戦し続けなければならない。
犠牲者のご冥福をお祈りしたい。

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