つぶれ行くグループホーム
今回の介護報酬報酬改定は明らかにおかしい。
プラス改定と新聞では報道されてはいるが、
どう計算してもマイナス改定になる。
ざっくりであるが収益が2割以上の減収になる。
特にひどいのがグループホームの報酬改定だ。
グループホームの1ユニットのみ単独で経営されているところは、
本当に厳しい経営をされている。
ご自分の自宅を改修され、
つまり自宅を事業に供出され、
24時間365日休みなしで寝泊まりし、
お年寄りのお世話をされているところは少なくない。
まさに創業者の犠牲のもとで事業継続が成り立っている。
創業者と言う呼び名は聞こえがいいが、
ほとんどの人たちが人のいいおばちゃんたちだ。
友人や親せきのお年寄りのお世話をたのまれ宅老所としてスタートし、
その後の制度改定でグループホームになる。
スプリンクラーを新たにつけるよう義務付けられ予定外の工事を余儀なくされたり、
一度県が許可したにもかかわらず、
建築法違反でこの古民家では許可を取り消しますといわれたところもある。
最初からいえよ、素人のおばちゃんたちに建築法なんてわかるわけがない。
1ユニットではギシギシの勤務シフトで研修参加できない。
ストレスも高く離職率も高い。
山口市でも事業が継続できず、
他の事業者に事業をゆだねた事業所が2か所ある。
僕のところも1か所それを引き受けた。
本当に経営は厳しい。
それなのに今度報酬が下がった。
だから市町は1ユニットではなく2ユニットで認可を下すところが多い。
多くの1ユニットの事業者が嘆願し2ユニットに変更してもらうこともある。
山口市でも来年度現場の意見が通り単独1ユニットを2ユニットへの増設の方針が出た。
先日、増設予定の事業者たちが集まり話し合いをした。
「私もう事業を続けていく自信がなくなっていたんです。でもこの度の増設のお話でもう一度頑張ろうと思います」
目を輝かせそういった本当に福祉の強い思いを持ったおばちゃん(失礼!!)の顔が浮かんでくる。
その3日後、報酬改定がでた。
2ユニットの経営メリットは無残に叩き潰され、
さらに2ユニットは単価も大きく下がった。
2ユニット2夜勤者の義務づけと報酬単価の減少で収益は半分以下になるのは必置だ。
なぜ2ユニット1夜勤者1宿直者体制ではいけないのか。
なぜ福祉に効率を求めてはいけないのか。
社会保障制度を守っていくための財源がないと言いながら、
複雑にしてお金ばかりかかる仕組みにすり替えていく。
今の制度は理想論ばかりで事業継続を考えてはいない。
継続こそ最も大切なことではないのか。
福祉の熱い思いを持ったおばちゃんたちはとどめを刺された。
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