田村前厚労大臣

先日、東京プリンスホテルで行われた全国老施協主催のセミナーで
田村前厚労大臣の話を聞くことが出来た。
まずびっくりしたのは氏は数字にやたら強い。
話の中で出されるデーターの数字をほとんど諳んじておられた。
また話の流れが将に流ちょうである。
さて氏の話の中でなるほどと感じたところは沢山あったが、
そのなかでもなぜ政府が財政再建に必死なのかと言う点については、
いままで分からなかったことが理解できた。
かいつまんで言うとこうだ。
かって菅首相(民主党)が経済政策の柱として掲げた
「強い経済・強い財政・強い社会保障」の一体的実現を目途とし、
財政健全化として2015年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)赤字を
2010年度の半分以下とした上で、
2020年度までに黒字化を目指すとして国内外に宣言した。
この公約を守らなければ国際的に日本の信用はがた落ちだと言うことだった。
だから是が非でも2020年までに赤字を精算しなければならないという話だった。
しかし僕は少し違うと感じた。
民主党政権以前からも何度も改善目標年度は上げられた。
たしか麻生政権の時にも公表された。
2020年としたのは根拠がある。
それは高齢者人口が頂点に達する2025年を迎えるからだ。
しかしながら目標は立てたものの達成の目処は未だに立っていない。
過去、政権を握ったもの達が政権維持のためにお金をばらまいてきたあげくに、
国民1人あたり830万円にという莫大な借金ができあがってしまった。
借金完済のためにその為にはまず経済を活性化し収入を上げ社会保障補償費はじめ支出を削減する。
ところが収入を上げることはそう容易くない。
今や国家予算の3分の一に達する社会保障費を削るのが一番手っ取り早い。
しかし多くの経済学者が社会保障費については別枠で議論すべきと訴えている。
なぜなら社会保障費をただ単に何割カット、いつまでに半額削減などと機械的に行えば、
国家の存在意味そのものを否定することになる。
国家は国民の命を守ることつまり基本的人権を守ることを約束して存在している。
社会保障制度を標的にするのではなく、
もっと中身を議論し精査し切り詰める努力を話し合いながら行うべきではないか。
なぜなら自助・互助・共助という3つの仕組みで社会保障制度は成り立っているのだから、
すべて国が面倒を見なければならないなどと過剰な福祉論はあり得ない。
公助という訳の分からないものを作り出すから話がややこしくなる。
しかし日本国民は優秀であると僕は信じている。
僕たちが目指す自立支援こそが国家財政を救う道と考える。
厚労大臣を経験された氏であればおそらくそこの所はご理解なさっていると思う。

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