『あ・り・が・と・う』 ~これまでも、これからも【宇部あいおい苑】
今年も春が巡ってきました。つい先日まで寒さに縮こまっていた桜の蕾もみごとに開花。
ところ狭しと青空をピンク色に染め抜いています。まさに桜花爛漫。
時同じくして、今日から新年度がスタート、新しい職場で働き始める人、新しい学び舎に通い始める人、さまざまでしょう。
春は出会いと別れの季節。気分一新頑張りたいものですね。
さて、今日は、新年度の始まりということで、心温まるエッセイを紹介したいと思います。
【ありがとうの意味】
私は以前、福祉とは縁遠い仕事をしていました。その頃はどちらかといえば「ありがとう」と言われる方が多かったかもしれません。あれから何かのご縁でこの仕事に就いて10年以上経ちますが、この仕事を始めてから「ありがとう」の意味が変わってきたように思います。普段の生活の中で「ありがとう」と言う言葉は、何かを頂いたり、助けてもらった時に使うことが多いと思います。でも私はこの仕事を始めてから、利用者様に出会えたこと、その利用者様を通じて出会った人に「ありがとう」、そしてまた新たな出会いがあり、新しい発見があることに「ありがとう」と思うようになりました。そしてこの仕事をしていたら避けては通れないお別れの時も、大勢の人の中からたった1人の私と出会って、お知り合いになれたこと、貴重な人生最後の大舞台をご一緒させていただいたことに感謝を込めて「ありがとう」と思うようになりました。私の祖母は96歳で介護施設にお世話になっています。時々施設を訪問すると、お世話をして下さる職員さんに、「あ・り・が・と・お」と言っている所をよく見ます。祖母は私よりももっと沢山の深い意味と感謝を込めて職員さんに「ありがとう」と言っているのではないかと思っています。私は「ありがとう」という言葉が大好きです。そして、「ありがとう」と言う言葉ほど人を幸せにして、自分も勇気付けられ嬉しい気持ちになれる言葉はないと思います。「ありがとう」の意味、それは自分が今ここにいること全てへの感謝だと思います。これからもこの仕事を通して沢山の人に出会い、そして別れていくことと思います。これまで出会った方々に「ありがとう」、そしてこれから出会う方々に「ありがとう」。
いかがだったでしょうか。
確かに、私たちが「ありがとう」を口にするとき、それは、他人から何かをしてもらった時や物をもらったときなど・・・、つまり、他人から施しを受けたとき感謝の気持ちを伝えるために使うことが多いと思います。
でも、「ありがとう」の意味を、今ここにいる全てへの感謝ととらえれば、心が安らぐことが多くなると思います。
そのような意味で、「ありがとう」は、その人の心の在り様を映し出している言葉なのかも知れません。
新年度にあたり、私ども職員一人ひとりも、今ここに生かされていること、利用者様と出会えたこと、人のために走れることに感謝しつつ、「ありがとう」の意味をしっかり噛みしめる一年にしたいと思っています。
(本文中の、エッセイは、宇部あいおい苑の伊藤ケアマネが福祉マンパワー2013春号(Vol.41)「公財 山口県福祉財団事務局発行に投稿し登載されたものです。)
ありがとう・・・
有り難いたい・・・だからこそ感謝。
言葉の力を信じる人は言葉を大切にします。
だからこそ言葉をおろそかに、粗末にはしません。
大切に大切に使います。
だから幸せになります。
ありがとうの言霊は、
人を幸せにする力を持っているのは間違いありません。
ありがとう・・・僕は一日に何回この有り難い言葉が言えているのか。
今一度、自分を見つめてみようと思います。
ありがとうございました。